01Short Story

【特典SS】忠誠心がないと言われたので婚約を解消してあげました。 2
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【特典SS】忠誠心がないと言われたので婚約を解消してあげました。 2

 結婚式を挙げました。場所は植物園のバラ園です。バラの咲き誇る時期を選んでの結婚式。その後は披露パー
ティー。お色直しのためのドレスは三回着替えました。ジェイ様の思惑通り、植物園でガーデンウェディングを挙げたいという人達が殺到しているとか?
 ジェイ様自慢の新種のバラをバックに愛を誓いブーケにもバラを使ってアピールをしましたから。
結婚式を無事に終えたので、このバラの苗(ルビー・ホワイト)の販売が開始されるようですが、なんと王室からも注文をいただいたようです。お忍びで王太子殿下が植物園に遊びに来たらしく、バラをお気に召したそうです。王室御用達となると今後も忙しくなりそうですね。

 変わらず私の仕事はジェイ様のお店の宣伝係で、デュランド伯爵家のお茶会は毎回好評です。
 しかし、そんな中……
「ジェイ様、お話があります」
 ジェイ様が出張でレオ様のところへ行っていて十日ぶりに帰ってきました。短い滞在だったようで、お疲れでしょうが大事な話なので食事の前にお話をしておきます。
「もちろん、どうかした?」
 いつものようにハグとキスをされました。十日ぶりなのでいつもより長めです。
「しばらくお茶会を開く事ができません」
「……? 理由を聞いても?」
「……最近食欲がなくて風邪のような症状だと思っていたのですが、」
「え? 体調が? 寝てなくてもいいのか?」
 ソファに横並びに座っていておでこに手を当てられましたが、そうではなくて……
「月のものが来なくて、メイド長が医師を呼んだら……懐妊ですと言われて……
 チラッとジェイ様を見ると驚いて目を見開いていた。
「ジェイ様?」
 驚きのあまり声が出ないとか?
「……嬉しい」
「喜んでくれますか?」
「当たり前だよ。嬉しくて言葉が出なかったんだ。そうか……ルビナのお腹に」
 そっと抱きしめてくださいました。その様子をみるとジェイ様が喜んでくれているのがわかりました。
 その後はお腹が大きくなっても着られるワンピースを作ってもらい、相変らず至れり尽くせりの環境でした。
「お腹が大きいルビナを見ていたら愛おしくてたまらない……お腹の子はルビナに似た女の子がいいな」
 なんてジェイ様が言っていたら、本当に私に似た女の子が誕生しました。ジェイ様の激愛っぷりに少しだけ妬いてしまいそうになりました。
 ローラと名付けられたこの子が三歳になったときに、友人を招いてお茶会を開きました。
 そこで親子コーデをしてもてなしをしたら、これがまた当たって若いお母さんたち世代がこぞってコーデするようになりました……
 うちの広告塔が一人増えました……何をやっても上手く宣伝するジェイ様はやり手の旦那様です。
「ローラまで広告塔になってしまいましたね」
「……そんなつもりはまったく無かったんだ。二人ともかわいから、何を着ても似合うのは罪だよね」
「おとうちゃまもお揃いする?」
「ローラと?」
「うん」
「悪くないね」
 ジェイ様がローラを抱っこすると、きゃぁきゃぁと喜ぶ娘を見ているとジェイ様と結婚して良かったと思いました。
今日も娘に甘々なジェイ様。ご自分も休みたいからと週休二日にしたことにより、労働環境が良くなりお店のスタッフが効率よく働けるようになったのです。ジェイ様の事業が手広くなってきたことにより、子会社化することになりました。
「そんなつもりなかったのに、いつの間にか手広くなってしまった。目が届かないところは信頼のおける仲間達に任せる」
 ジェイ様は代表になりました。
「店は今まで通り続けていくよ。学生の頃からの夢が詰まっているからね。レディース部門も広告塔がいいから好評だ」
 ローラを抱っこしながら、私も抱きしめられました。最高の旦那様です。